第19章 蝶の奪還episode2
岩鷲「一護!」
恋次「どうやらテメェは、俺と一度戦ったぐらいで俺の実力を知った気でいるみたいだが、いいことをひとつ教えといてやるぜ。」
恋次がゆっくりと一護がいる方向へと足を進める。
少しだけ桜を見ながら…………。
恋次「俺たちが現世に行く時、
普通の霊に影響を及ぼさないように
力を極端に制限されるんだ。
今の俺の力はあの時の5倍。
テメェが幾ら強くなってようと
俺に勝てる可能性はひとつもねぇ。」
あの時の5倍。
でも一護だって、
あの時の5倍以上強くなってる。
「一護…………。」
桜が一護がとばされたほうを見ると、
一護「はーん。
てことは、今がテメェの全力ってわけだ。
きかねぇな!全然!!!
ありがとよ、
こんなのが11人なら何とかなりそうだぜ。」
そう言って立ち上がった一護の頭からはとめどなく血が流れていた。
息も上がっていて効いていない訳が無い。
それでも立ち向かう一護。
そんな一護には目もくれず
ガンガン攻撃してくる恋次。
一護はひとつひとつの攻撃を、
ギリギリ避けていた。
花太郎「ムリだったんだ……。
やっぱり副隊長を相手に戦うなんて
ムリだったんだ…………!」
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吉良「阿散井くんがいない!?」
雛森「うん……。
探してたら、阿散井くんの部屋にこれがあって…………」
雛森が持っていたのは六番隊の副官章だった。
これを置いていくということは……
吉良「このことを隊長たちには?」
雛森「ううん、話してない。」
吉良「副官章を外していくなんて
余程のことだ。
彼はこのごろ
朽木女史のことで悩んでいたから……
大事にいたらなければいいけど。」
雛森と吉良は目を合わせる。
吉良「わかった。
僕も隊長に見つからないように
探してみるよ。」
雛森「うん!ありがとう吉良くん!」
雛森がそう言うと吉良は笑って、
去っていった。
ふと、雛森は空を見上げる。
雛森「阿散井くん、
どこにいっちゃったんだろう。」