第19章 蝶の奪還episode2
一角はフラフラとした足取りで、
四番隊につく。
すでにたくさんの隊士が
傷を負っている姿が目に入る。
?「……斑目三席?」
一角「卯ノ花隊長……。」
一角の前には一角の姿を見て
目を見開いている
四番隊隊長、卯ノ花 烈 の姿。
卯ノ花の気遣いで一角は、
個室の病室に入った。
三席が倒されたと知れば、
瀞霊廷はパニックに陥ってしまう。
卯ノ花「まさか……アナタまでやられるとは……。」
一角「他にも誰か?」
卯ノ花「二番隊の砕蜂隊長です。」
その時、一角は思い出す。
あの女が戦っていたのは砕蜂隊長。
そしてあの場にあの女がいて、
四番隊に砕蜂隊長がいるってことは……
一角「砕蜂隊長は、
どんなやつにやられたんですか?」
卯ノ花「砕蜂隊長の証言によると、
黄色の髪で青い瞳の、あの方にそっくりな人だったようです。」
あの方。
これも卯ノ花の気遣いだった。
一角「……そうですか……。」
卯ノ花「お会いになられたのですか?」
一角「俺のある程度の傷を直してくれたのは、その旅禍の女です。」
卯ノ花「旅禍が治療を……?」
一角「はい。高度な回復技術でした。
見たことのない技を使う女です。」
?「ほお、それは1度会って、
見てみたいもんだな。」
扉の方から声がする。
卯ノ花も一角もそちらの方を見ると……
一角「……隊長…………。」
卯ノ花「十番隊隊長、更木剣八。」
そこには更木の姿が。
更木が一角に近づいていくと、
卯ノ花は席をはずした。
一角「……すいません、負けて生き延びるのは恥と知っておきながら帰ってきました。」
更木「生きてりゃそれでいいじゃねぇか。
で、お前を倒したヤツは強えのか?」
ニヤリと笑って問いかける更木。
一角は更木の目を真っ直ぐに見ながら答えた。
一角「強いです。
伸びしろのある強さでした。」
更木「ほお……そりゃあ楽しみだな……。」
更木は笑みを濃くしていく。