第19章 蝶の奪還episode2
一護「桜、治ったか?」
あれから桜はふたりを、
同時に回復させていた。
お互い傷が深く、焦ったが
なんとか治した桜。
「うん!あと少し待ってね。」
一護「一角も治してくれてありがとな。」
「なに言ってんの、あたりまえでしょ?(笑)」
桜は一角の傷を集中して
治していた。
すると、一角の手がピクンと動く。
もう少しで目が覚める。
そう分かった桜は、
マスクをしっかりとつける。
そして次の瞬間……
ガッ!!!
「わっ……!」
一角の手が桜の腕を掴んだ。
そして一角の口が開く。
一角「……行くな…………桜………ッ」
「…………え……?」
桜は耳を疑った。
今、自分の名前が聞こえた気がしたから。
一護「桜どうした……って、
一角なんで腕つかんでんだよ(笑)」
「…一護……今…………。」
一護「うん?」
「…………なんでもない…。」
一護「そうか?」
すると、ゆっくりと一角の目が開く。
そして一角の瞳が桜をとらえたとき、
一角はバッ!!!と起き上がった。
一護「お、起きたか。」
一角「一護テメェ、なんで……」
一護「お前、桜に感謝しろよ?
お前のその傷治してくれたの桜だからな。」
そして一角は目を見開く。
今、一護はなんて言った?
桜に感謝しろよ…………?
まさか、桜って………………。
一角は目の前にいる女に目を向ける。
一角「黄色の……髪…………。」
腕を掴んでいる一角の手が震える。
でも、違う。
アイツは目が茶色だった。
コイツは綺麗な青。
そう。
アイツがいる訳ねぇんだ。
でも、どうしてだろう。
なんで目の前にいるコイツが
アイツと重なるんだろう。
たった髪の色が同じってだけ。
黄色の髪の女なんて流魂街に死ぬほどいる。