• テキストサイズ

Flower story 《 BLEACH 》

第19章 蝶の奪還episode2





一角side



夢を見ていた。


ここ、どこだ?



一角がいるのは流魂街。

…………遠くから誰かの声がする。



『一角!』



聞き間違えるはずが無い。

ずっと聞きたかった声。
少し高くて可愛い声。



一角『……桜…………?』



一角が振り向くとそこには、
恋焦がれた女がいた。



あぁ、会いたかった……。



一角は自然と桜に手を伸ばす。

そしてその手をしっかりと桜が
握りかえす。



『どうかしたの?』



一角『別になんでもねぇよ。』



そして一角が強く握り返そうとした瞬間。


ヌルッ……。


嫌な感触がした。

桜のほうを見ると…………



『……一角…………どうして……?』



場面が変わっていた。
あの地獄のような場面に…………。

忘れられるはずのない光景。
愛しい女をこの手で刺した光景。

花畑では雨が降っていて、
桜の血を地面に落としていく。


何回、この夢を見ただろう。
何回、この夢に魘されただろう。
何回、この夢で後悔しただろう。


強く握り返そうとした桜の手は
真っ赤に染まっていて…………。

そしてこちらを見ている桜の顔……。

忘れられるはずがない。
忘れたくても忘れられない記憶だった。



一角『……桜…………?』



『……どうして?…………一角……ッ……。』



どうして俺は桜を刺している……?

あぁ、そうか。
桜は裏切り者だったのか…………。

でも、なんでだろう。

どうしてこんなに俺の胸は、
後悔しかないんだろう。

どうして刺してしまったのか。
どうしてなにも言ってあげれないのか。


すると桜の体が光になる。

そして小さな光になって消えていく。


待て。

どこ行く気だ。

俺の側から離れんな。

行くな。

行くなよ。




一角『……行くな、桜…………ッ…!』



頼むから。

もう俺の前から消えないでくれ…………。

せめて、せめて夢の中でだけは
俺の側にいてくれ…………。




一角は消えていく桜に手を伸ばした。




/ 363ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp