第19章 蝶の奪還episode2
その頃、二番隊隊長に
見事勝った桜は急いでいた。
一護の霊圧が極端に低くなった……。
はやく一護のところに行って
治療しないと…………。
焦る気持ちが桜を急がせる。
「いた!!!」
桜の視線の先には、
倒れている一護と一護と戦ったであろう
死神が倒れていた。
すぐさま駆け寄る。
まだどちらも心臓は動いている。
これなら助けられる……!
「羽ばたけ白蝶」
桜の放った白蝶が、
2人を包み込む。
幸いにも2人は近くに倒れていたため
同時に治療ができた。
すると1人の目が開く…………
一護「……桜…………?」
「一護、よかった!!!」
一護は桜を見ると目を見開く。
そして起き上がりとっさに
桜を抱きしめた。
一護「よかった……生きてたんだな……。
ほんとによかった……!!!」
「あたしなら大丈夫って言ったじゃん(笑)
…………心配してくれてありがとう。」
一護「でもお前と戦ったやつって
隊長だったんじゃ……。」
「あたしがここにいるってことは?(笑)」
一護「た、倒したのか……?」
桜はニッコリと微笑んで頷く。
一護はまた目を見開く。
あの夜一さんが逃げろと言った相手に
勝った桜…………。
いったいどれほどの力を持っているのか。
「ほら、そろそろ離して?
治療するんだから。」
一護「あ、あぁ。悪ぃな。」
一護は座って一角を見る。
一角の瞳はまだ閉じていた。
あん時の一角、泣きそうな顔をしてた。
桜と俺が言った時……。
一角の瞳が桜を写した時……。
もしかすると一角は、
記憶を失う前の桜を知っていて
そして一角は桜のことを―――。
一護「そんな訳ねぇか。」
「なにが?」
一護「ん?何でもねぇよ。」
「変なの(笑)」
一護がなぜこう思ったのか。
桜を写した時の一角の瞳が
一護の同じ瞳をしていたから。
恋焦がれた女を写す瞳を…………