第19章 蝶の奪還episode2
一護・一角
バリバリバリバリバリッ!!!!!!
そんな聞いたことがある音がして2人は
その音のした場所を見る。
すると大きな煙が舞い上がっていた。
一護「桜!!!」
そしてその声に反応したのは一角だった。
一角「…………テメェ今なんて言った……?」
一角らしくない。
声が震えていた。
…………でも聞こえた。
恋焦がれた女の名前が………………。
一護「あ?テメェには関係ねぇだろ。」
一角「ふざけんな。
さっきは俺が答えてやったはずだ。
次はお前が答えろ。今、なんて言った!!!」
一護「…………桜。」
瞬間、一角の心臓が大きく跳ねる。
あの最悪な日から何日たったか。
そんなことは分からない。
でも1度も忘れたことなんてなかった。
……忘れられたことなんてなかったんだ……。
一護「なんだよそのシケた顔。」
一角「あぁ?」
一護「今にも泣きそうな顔してるぞお前。」
一角「俺がそんなツラするわけねぇだろ!!!」
一角が一護に
攻撃を仕掛けようとした時だった。
ドオオオオオオオン!!!!!!
大きな音がして2人とも反応する。
ちょうどふたりが見たのは
煙がはけた時だった。
その時に見えた…………
一角「……黄色の髪の…………女…………。」
綺麗な黄色の髪を風になびかせて、
屋根に立っている女。
嫌でも思い出してしまう。
あの声を。
あの瞳を。
あの日のことを…………。
『……一角………………?』
一角「クソッ!!!!!!」
一護「おいどうした一角!?」
一角「うるせぇ、構えろ一護!!!」
お互いボロボロの状態になりながら
戦っていた一護と一角。
その戦いにも終止符がうたれる。
一護「遅せぇ!!!!!!」
そう言って一護は刀を振り下ろす。
その刀は一角の肩に振り下ろされ、
一角の肩からは血が溢れ出た。
一角「……チッ……ツイてねぇな……。」
そう言って倒れる一角。
一護「ツイてねぇのはお互い様だ……。」
そう言って一護もその場に倒れた。