第19章 蝶の奪還episode2
「二の文字の羽織…………。」
前に夜一が言っていた。
夜一『この戦いで最もやっかいなのは隊長格の奴らじゃ。
もし奴らにあったらすぐさま逃げろ。隊長格の特徴は…………』
「数字の入った羽織………………。」
?「ほう、旅禍のくせにこちらのことを
少しは知っているようだな。
そうだ。私は二番隊隊長、砕蜂。
今から貴様を殺すやつの名だ。
覚えておくがいい。」
まさかこんなとこで隊長に会うなんて……
それに確か二番隊は…………
砕蜂「そして私は隠密機動の隊長でもある。
そんな私にスピードで勝てると思うな。」
逃げても意味は無い。
遠まわしにそう言われていた。
だったら………………
桜は戦闘態勢をとる。
砕蜂「ふんっ。いい覚悟だっ……!」
砕蜂が仕掛ける。
桜はそれをすんなり避ける。
そしてクルッと体勢を変えると…………
ガガガガガガガッ!!!
砕蜂「……くっ……!」
目にもとまらぬ速さで打撃をくりだす。
しかしさすがは二番隊隊長。
一撃も喰らわない。
砕蜂「こんなもので私を倒せると思っているのか?」
「思ってないわ。」
その瞬間…………
砕蜂「なっ!?」
桜が目の前から消える。
これは………………
砕蜂「……瞬歩……だと!?」
死神だけの技の瞬歩を使い、消える。
そして…………
「後ろ、ガラ空きだけど?」
砕蜂「しまっ…………」
「遅い。」
ドオオオオオオン!!!
桜の回し蹴りが炸裂し、
砕蜂は遠方の壁に叩きつけられる。
砕蜂「……なぜ……貴様が瞬歩を使えるッ!?」
「予想外だった?」
砕蜂の腕や足は壁にめり込んではずれない。
そこに桜が現れる。
「終わりよ、少し眠ってて。」
そう言って桜が
砕蜂の目の前に手をかざした時…………
砕蜂「調子に乗るなよ………小娘!」
そして壁から消える。
「なっ!?」
桜があたりを見渡す。
すると声が響いた。
砕蜂「尽敵螫殺 『雀蜂』」
気がつくと、桜の首元には
砕蜂の 雀蜂 があった。