第18章 蝶の奪還episode1
「そんなことより兕丹坊さんは!?」
一護と桜は後ろを見る。
そこには左腕のない兕丹坊の姿と少し離れたところにある左腕。
痛々しいその姿を見た桜は兕丹坊に近寄る。
「茶渡くん、石田くんその腕をこっちに持ってきてくれる?治せるところまで治す。」
一護「そんなことできるのか!?」
「うん。正しくは出来るようになった かな?」
ふたりが兕丹坊の腕を運び、いざ治そうというところで桜に声をかけた人物が1人。
織姫「あっ、あの。その腕あたしも治すことが出来るからあたしが治すよ!」
「え、大丈夫だよ!」
織姫「ううん、あたしも役に立ちたいし桜ちゃんはさっき能力を使って疲れてると思うからあたしが治すよ!」
「じゃあ、お言葉に甘えようかな。織姫お願いしていい?」
織姫「う、うん!」
織姫が兕丹坊の腕を治している間、ほかの人は作戦会議をする。
夜一「門を閉められてしまった以上手段はひとつしかあるまい。明日その場所に向かおうと思うのだが意見のあるものはいるか?」
一護「俺らもともとここの知識ないし全部夜一さんに任せるぜ。」
茶渡と石田も頷く。
桜は……なにかを考えているようだった。
石田「水瀬さん?どうかしたかい?」
「えっ、あっ 大丈夫。」
夜一「何かあるのなら言ってもらった方が良いのじゃが……」
「ううん、ホントに大丈夫!(笑)
あ、あたしそろそろ織姫のところに行ってくるね!」
そう言って桜は倉をあとにする。
それに続いてコハクも倉を出る。
その姿を一護はずっと見つめていた。
夜一「なにガン見しとるんじゃ。」
一護「いや、大丈夫なのかなって思って。」
夜一「どういう意味じゃ?」
一護「桜はもともとここのヤツだろ?やっぱりここに来ることで少しでも記憶に影響があるのかなって思ってさ。そしてもし記憶を取り戻す時がきたらその時は俺がそばにいてやりたい。記憶をなくすほど辛いことがここではあったって訳だ。アイツは俺が守りてえんだ。」
夜一は思う。
こいつは誰よりも桜が大切なんだ と。