第18章 蝶の奪還episode1
喜助「すみません皆さん取り乱してしまいました。改めてこの門の説明をします。」
喜助の後ろには大きな門があった。
桜は吸い込まれそうな感覚を覚える。
喜助「この門は尸魂界とこの世界をつなぐことができる門です。この門をくぐり先に進むことが出来れば無事尸魂界にたどりつくでしょう。」
石田「たどり着くことが出来れば?どういうことだ?」
喜助「言葉のとおりっス。この門の先に進むことができるのは本当の信念を持った人だけ。」
石田「そんな!思いが通じなかったら僕達はどうなるんですか!?」
喜助「閉じ込められます、この中に永久に。」
石田「そんな……。」
夜一「大丈夫じゃ。お前たちはそんなちっぽけな思いで尸魂界に行くわけじゃないじゃろう?ちっぽけな思いしか持たない者ならこの先は来るでない。あしでまといになるだけじゃ。」
そうかもしれない。
これから先の戦いは今までの比じゃない。
激しすぎる戦いになることは確実だ。
そんな戦いに少しでも迷いがあれば命はないだろう。
全員がそう思った。
一護「大丈夫だろ。とにかく前に進むだけ、簡単なことじゃねえか!」
石田「そんなことわかっている。君に言われるだけ腹が立つからやめてくれ。」
石田はメガネをあげながらそう言った。
一護「おまえっ……!」
「まあまあ(笑)」
喜助「どうやら準備は整ったようですね。
では行きますよ…………。」
喜助が門に向かって何かをつぶやくと門が光り出す。
喜助「今です!!!」
その瞬間、5人と1匹は門に向かって走り出した。
中に入るとそこは壁がドロドロとしており今にも崩れだしそうな場所だった。
夜一「何をしている!急げ!!!」
夜一の声を聞き5人は全速力で走る。
そんな様子を見ていた喜助は自分自身が作り出した門に触れる。
すると……
バチッ!!!
門に弾かれてしまった。
弾かれた手を見つめる喜助。
喜助「頼みましたよ黒崎さん……。
……………どうか無事でいてください桜さん。」
喜助の囁きは空へと消えていった。