第17章 太陽と交わす夏の約束
「……きた…………。」
桜にとっては何回も来たこの世界。
相変わらずお姫様のような容姿をしている女の子。
?「……桜、会いたかった。」
「あたしも、会いたかったよ。」
?「ふふっ、嬉しい。」
「やっぱり あなたはあたしの斬魄刀なんだね。」
?「そうよ。でもあなたは思い出してくれないじゃない。あたしの名前を。」
女の子は切ない思いつめた表情をする。
その表情に桜も胸が切なくなる。
自分のせいだってことはわかってる。
でも、どうしても思い出せないのだ。
「ごめんなさい……。」
?「いいよ、仕方ないことだもん。」
桜はなにがあったのか知りたかった。
でも、イヤだった。
自分の感情がわからなかった。
知りたいけど知りたくない。
「ねえ、あなたの名前……あたしは思い出せないけど……でも絶対に思い出すから。」
?「……ほんとに……?」
「うん。約束する。次会う時は必ず名前を呼ぶから。」
その瞬間、女の子の瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。
?「やく……っそく……なんだからねっ……!」
「うん。きっと。」
2人はお互いに小指を結んだ。
するとこの世界が光り出す。
「え?」
?「時間みたいね……。次会う時は名前、呼んでくれるんだよね?」
「うん!」
そして桜は消えていった。