第17章 太陽と交わす夏の約束
「……喜助さん、あたしどうしたらいいの……?」
桜は震えた声で喜助に問う。
喜助「……朽木さんを助けに行きたいですか?」
「当たり前です。あたしはルキアにたくさんのものをもらった。まだ何一つ返せてないんです。」
喜助「あなたが尸魂界に行くことで注目を集めてしまうんス。死んだはずの死神が生きているなんてね。
……それでも行きますか……?」
「行きます。危険度が高くなるっていうのは分かってます。でも守ります。なにがあっても誰1人傷つけさせはしない。」
喜助「それだけの思いがあれば大丈夫っスね。でもあなたの色蝶じゃ、ちょっと力不足かもしれません。」
「え」
そう言うと喜助は真っ白の手袋をはめてガラスのケースを開ける。
そして中から あの刀 を取り出した。
喜助「これはあなたが空から落ちてきた時に持っていた斬魄刀です。間違いなくあなたのでしょう。」
桜は刀に手をかざす。
すると刀は眩い光を放ち始める。
「なっ、なに!?」
喜助「……これは…………」
その瞬間。
ドサッ。
喜助「ちゃんと話をしてきてください。」
喜助は倒れ込んだ桜をしっかりと受け止めた。
しかし予想外だった。
刀が自ら主を精神世界に連れていくのは。
それだけ刀も待っていた ということなのかもしれない。
約半年。
久しぶりに主が自分に触れてくれたのだ。
刀からしたら喜び以外の何物でもないだろう。
喜助「ゆっくりでいいんス桜さん。」
喜助は優しく桜をベットに寝かせた。
喜助「さて、アタシは収集にかかりますかね。」
目を閉じている桜を寝かせ、喜助は
一護、織姫、茶渡、石田を集めにかかった。