第17章 太陽と交わす夏の約束
喜助「桜さん、ちょっといいスか?」
尸魂界に行く前日、桜は喜助に呼ばれた。
喜助についていくとそこには厳重にガラスのケースにしまってある あの刀 があった。
「喜助さん、その刀あたしの部屋にあった……」
喜「そうっスね。ちょっと移動させました。」
一息おいて喜助は桜を真っ直ぐに見て話し始める。
喜助「いいですか桜さん。これから話すことはすべて真実です。ゆっくりとでいいので話を整理しながら聞いてください。」
「? はい。」
喜助「桜さん、あなたは死神です。」
「…………え………………?」
喜助「信じられないのが普通っス。でも真実なんス。あなたがこの浦原商店に来た日。あなたは死覇装を着ていました。空から落ちてきたのも事実です。でもその時、コハクは大きかった。あなたの治療をしていた際に小さくなったんす。」
「死覇装…………。」
桜には見覚えがあった。
一護が着ていたあの服。
あれは死神だけの服のはず。
喜助「あなたは今、義骸という仮の肉体の中にいるんス。だからそうして服がきれる。でも、あなたの魂は死神なんスよ桜さん。なにがあって昔の記憶がないのかはわからない。でもあなたが死神で、なんらかの理由で尸魂界から現世に来たというのは間違いないでしょう。」
桜は頭がついていかなかった。
自分は死神。
ということはコハクと出会ったあの場所は尸魂界。
なぜ自分が記憶喪失なのか。
なぜ覚えていないのか。
なぜ 今 尸魂界にいないのか。
もう何がなんだか分からなかった。