第17章 太陽と交わす夏の約束
「あのね一護。これはあたしが決めたことなの。それでツライ思いして涙を流すなら喜んでって感じだよ。……一護……自分を責めないで…………。」
その瞬間、一護は桜を引き寄せ抱きしめる。
「い、一護……?」
一護「なあ桜、一護って名前にはひとつのものを護るって意味があるんだ。もしもお前の1番護りたいものはなんだ って聞かれたら俺は迷わずに桜だって答える。」
「……え……。」
一護「ぜってぇ護るから。なにがあっても。」
その時、空に花火が上がる。
キレイな色とりどりの光が2人を包み込む。
一護は桜を離し今度は手を繋ぐ。
手を繋ぎながら2人は花火を見ていた。
「……一護、ありがとね…………。」
桜は一護を真っ直ぐに見て言う。
一護「キレイだな……花火に照らされていつも以上に…………。」
「え?」
一護「なんでもねぇよ。ほら、花火見ろ。」
「もうっ。」
それから約10分。
花火はふたりを照らし続けた。
そして最後の花火が終わったあと。
「……初めて見た…ホントにキレイだった……。」
一護「なあ桜、俺 今日のこといつまでも忘れないから。ホントに楽しかった。」
「あたしも忘れない……ホントに来てよかった。」
桜は嬉しかった。
自分といた時間を楽しいと思ってもらえて。
自分こそ楽しかったのに、幸せすぎたのに。
絶対に忘れない。
2人の心の中には今日の思い出がしっかりとあった。
それから2人は家に帰り来るべき日を待った。