第17章 太陽と交わす夏の約束
コ『いました、あそこです!!』
一「桜!!!」
一護の目に入ったのは痛々しい姿の桜。
今まで病院でも見たこともないくらいのケガをしている桜は頭、背中、腕。
とにかく身体中から血が出ていた。
一「おい、桜!!大丈夫か!?!?」
一護は桜を抱き上げる。
綺麗な黄色の髪の毛は所々に血がついていて
部分的に茶色になっていた。
そして こんなことは初めてだった。
一護の声にまったく反応しない。
コ『一護さん、とにかく桜さんを浦原商店に……。』
一「あぁ。急ごう。」
一護は自分が来ていたパーカーを桜に被せて
横抱きにして走った。
時折、ほんとうに大切そうに そして切なそうに桜を見つめていた。
一護は気づいたことがあった。
一「コハク、桜のネックレスが……」
コ『お気づきですか?今までとは別次元の
色蝶の力が宿っていることに……。』
一「すげぇな、これ。ネックレスから異常な霊圧を感じる。」
コ『それが桜さんの色蝶の本当の霊圧なんです。
今までの霊圧は…………そうですねわかりやすく説明すると今の10分の1くらいでしょうか。』
一「今までの力が……10分の1…………。」
一護はゾクッとした。
全力だったら どれほどの力なのだろうか。
想像ができなかった。
コ『私にも桜さんの全力が分かりません。
とにかく凄まじいことは確かですけどね。』
一「すげぇ冷静だな……。」
コ『まあ、死神のころから桜さんは凄かったですから。
周りの死神とは桁違いの強さを持っていました。」
それを聞いてもあまり一護は驚かなかった。
そんな気がしていたから。
一「でも、強かったなら なんで尸魂界は桜を……。」
コ『桜さんは……裏切り者として…………
誰も信じてくれなくて………………』
一「……どういう意味だよ………………?」
コ『ほら、浦原商店につきました。』
一「えっ、おい!!!」
コ『一護さんお願いです。なにがあっても桜を信じてあげてください…………。』
一「……あたりまえじゃねぇか。」