第16章 目覚めた太陽
気づいた時にはもう遅かった。
桜の体は炎と化した蝶たちによって
焼かれるような痛みが走った。
「あぁぁぁぁぁ!!!」
ヒリヒリではなくビリビリする。
桜の体には大きな火傷が出来た。
そしてそのまま桜は地面に倒れ込んだ。
色蝶「痛そうね、降参する?」
色蝶が桜に手を差しのべる。
桜の目はうっすらとしか開いてなかった。
色蝶「どう?自分の能力にやられる気分は?
私はアンタの色蝶なのよ?
アンタの能力なんか使えて当然よ。
元々は私の力ってことを忘れないで欲しいわ。」
「っあ!!!」
色蝶は桜の火傷の部分を指で押す。
たったそれだけなのに桜は全身に激痛が走った。
「はあっ……はあっ…………。」
色蝶「やっぱりアンタもほかの人たちと同じなのね。
いや、ほかの人より少しできるってとこかしら?
可愛そうね、その少しがなかったらこんなに大きな火傷をおうこともなかったのに。」
色蝶は桜を踏み付ける。
「あぁっ!!!」
色蝶「いい?色蝶にだって心があるの!!
アンタたちみたいな弱いヤツなんかに主導権を握られるなんてごめんだわ!!!」
色蝶は桜を踏み付けた足をグリグリしながら
話を始める。
色蝶「自分が弱かったから負けたくせに頭を使って私たちを使っていく!!!
あげくのはてに頭のいいやつが偉いなんて言いだす!!」
「いっ…………たい!!」
色蝶「うるさい!!負けたやつは大人しくしときなさいよ!!!」
「色蝶、あたしのこと…………嫌い?」
色蝶「大ッ嫌いよ、主なんて!!!!」
なにがあったのか。
過去に相当ツライことがあったのだろう。
色蝶の使い手を恨んでいるようだった。
桜は涙を流した。
色蝶「なに泣いてんのよ!見てるだけでイライラする!!」
色蝶は桜にトドメを刺そうと腕を振り上げる。
しかし桜はその腕を掴んで立ち上がった。
色蝶「離しなさいよ!!!」
「…………ないの……。」
色蝶「なによ!」
「色蝶に負けるわけにはいかないの!!」
負けるわけにはいかない。
教える。
色蝶が嫌っている使い手と自分は違うって。