第16章 目覚めた太陽
「お願いです、もうイヤなんです!!!!
あたしのこの能力は何のためにあるんですか!?
守られるためですか!?伝統のためですか!?」
村人「どちらもだ!!!
それを分かってるんだったら倒れる村人は ほっといてさっさと逃げろ!!!」
「!?!?!?」
ふざけてる。
桜はそう思ってしまった。
村人の気持ちがわからないこともない。
でも、伝統のために1人の女の人の気持ちを踏みにじるのか。
必死に村人を守ろうとする気持ちを沈めるのか。
「…………どうして……...。」
村人「言うことを聞け!!さもなくば……!!!」
ガッ!!!!
「……...う、そ……...…………。」
村人「すまねぇ、桜花ちゃん。」
桜花と呼ばれた女の人は後ろから
あの杖で後頭部を殴られ、そのまま意識を失った。
わからないのか。
目を覚ました彼女がどれだけ悲しむかを。
絶望的な気持ちになることを。
しかし桜はそんなことより気になること
引っかかることがあった。
『…………桜花……?』
その名前はつい先日思い出した母の名前だった。