第15章 再会した空と花
白哉はその女をじっと見ていた。
女の顔はマスクで覆われていて分からない。
それに夜の闇でよく見えない。
しかし なぜだろう。
こんなにも愛しいのは。
白「……貴様…………。」
白哉の意識が完全に女に持っていかれた時だった。
フッ と女が白哉の瞳から消えた。
白「!!!」
白哉は表情は崩さずにあたりを見渡す。
ドンッ!!!!
すかさず顔の前にだした白哉の両手と女の回し蹴りがぶつかり合う。
ガガガガガガガガッ!!!!
女はパンチや蹴りをすさまじい速さで打ち込んでくる。
白哉はひとつひとつの攻撃を手で弾いていく。
恋「テメエ何者だ!!!」
大きな傷を追っている恋次が後ろから仕掛けてくる。
それに気づいた女はまたフッと消える。
恋「なっ!?どこ行きやかった!!」
そして女がフッと現れたのは恋次の後ろだった。
恋「なっ!!」
振り返っても遅い。
攻撃されると覚悟を決め目をつぶる恋次だった。
しかし痛みはいつまでたっても やってこなかった。
おそるおそる目を開けると……。
恋「…………お前………………。」
恋次の目の前に拳を突き出して止まっている女。
恋次と女の目が合う。
女の目はまるで ここから手を退け と言っているかのようで。
強い意思が感じられる瞳の中には悲しみの色もあった。
恋「……お前 いったい………………」
「……おねがい…あたしにあなたを傷つけさせないで…。」
女の声は震えていた。
瞳にはたくさんの涙がたまっていた。
そして拳は小さく震えていた。
恋次が思わずその拳に触れようとした時だった。
白「破道の四 白雷!!!」
白哉が放った白雷がふたり目掛けて飛んでくる。
女がその場を離れた時……。
恋「っ!!」
恋次が頭をおさえて座り込む。
白「!!! 動け!! 避けろ恋次!!」
白雷はふたり目掛けて一直線に飛んできた。
その時。
緑の蝶の盾が恋次を守った。