第14章 目覚めた花の新たな能力
一「無事か!?!?」
桜は素直に頷く。
その様子を見て一護はホッとする。
一「よかった…桜になんかあったら
どうしようかと思ったぜ…………。」
「……大丈夫だよ、ありがとう……。」
いつも。
いつも一護は自分を助けてくれる。
いつもピンチの時に来てくれる。
そしていつも心配してくれる。
一「ちょっと今、空座町がヤバイんだよ。
とりあえず この虚は俺に任せて桜はどっか隠れてろ。」
「うん、わかった。」
桜は一護に言われたとおりに安全な場所に
逃げようとする。
しかし…………
「一護、どうしたら…………」
一「くそっ!!」
すでに何十体という虚に囲まれていた2人。
もちろん逃げ場はなかった。
一護は桜を背中に隠す。
2人の後には壁。
前には虚。
一「……桜、俺が道を開ける。
その隙にお前はそこから逃げてくれ。」
「でも、そんなことしたら一護が……。」
一「俺は自分が傷つくのは大丈夫だ。
でも、お前が傷つくのだけは我慢できねぇ。
だから、…………頼む…………。」
「………………わかった。」
もうこう言うしかなかった。
一護の真剣な目に圧倒された。
一「じゃあ、行くぞ……。」
「うん。」
そう言って一護は虚の群れに突っ込んでいく。
そして一護は見事に道を開けた。
一「行け、桜!!!!」
「っ!!」
桜は全速力で走り出した。
そしてなんとか乗り切った。
そう思った…………のに。
一「っ!!!!!」
一護の声にならない声と共に後ろで ドサッ という音がした。