第14章 目覚めた花の新たな能力
その頃、ひとりで帰っていた桜は空を見ていた。
なぜかイヤな予感がする。
イヤな雲行きの空。
「……はやく帰ろう…。」
一護がいない帰り道。
いつもの2倍、3倍も長く感じた。
「……一護…………。」
ふと、一護の名前を呼ぶ。
そしてその瞬間だった。
「!!!!!」
ゾッとする悪寒がして勢いよく桜は走り出した。
悪寒の正体はわからない。
でも、分かることがある。
後ろを見てはいけない。
止まらずに走らないといけない ということ。
すると後ろからドスのきいた低い声がする。
虚「うまそうな魂の匂いだ……。
喰わせてくれよ、その魂!!!!」
「……ウソでしょ…。」
虚だと気づいた瞬間 桜は走るスピードを速くする。
しかし相手は虚。
体の大きさが違いすぎる。
いくら運動能力の高い桜でも簡単に追いつかれてしまう。
「ぐっ……!」
虚「つーかまーえたーーっ。」
虚は舌なめずりをして桜を舐めまわすように見る。
虚「うまそうな魂の匂いだし、いい女だ……。
これは極上グルメだなぁ。」
「はな…してよっ…!!」
桜は必死に抵抗する。
しかし適うはずもない。
その時だった…………
一「桜から離れろっ!!!!!」
斬魄刀を虚に振り下ろしながら死神姿の一護が
あせった様子で桜を庇うように立つ。
「一護っ!!!」