第11章 芽生える友情の花
虚「お、おり.........。」
一「井上!!!」
ル「案ずるな!!
そいつはまだ助かる!!
胸の因果の鎖が切れてないだろう!
それが肉体とつながっている間はまだ私の鬼道で助けられる!」
床に倒れた織姫の元に駆け寄り少しずつ織姫の傷を治していくルキア。
一「ルキア!!桜は!?
桜は助かるのかよ!?」
治療をしているルキアの元に一護が桜をお姫様抱っこして連れてくる。
桜の服は血で赤く染まっていた。
ル「出血が多いな...。
連れてこい。なにがなんでも治してやる。」
ルキアは真剣だった。
ほんとに何をしてでも治すという目をしていた。
二人同時に治していると先に桜が目を覚ます。
一「桜!!!よかった!!!
大丈夫か!?」
ル「...なんという回復力だ.........。
井上の3倍は大きな傷なのに...。」
「ゴホッゲホッ!」
一「桜!!」
少し咳をした桜の元に急いで駆け寄る一護。
そしてゆっくり優しく背中を一定のリズムで叩く。
「はぁっ...はぁっ......。」
一「大丈夫か?」
「うん。大丈夫。ありがとね?」
一護は安堵の表情を見せる。
すると正気に戻った虚がまだ気を失っている織姫に言う。
虚「ほんとは分かってたんだ。
俺を心配させないために祈るのをやめたってこと......。
でも、それでも祈ってて欲しかった。
お前が祈ってくれてる間だけはお前の心は俺のモノだったから...。」
「...なに言ってるんですか...?
お兄さん織姫ちゃんの何を見ていたんですか?
織姫ちゃんのヘアピン、プレゼントなんでしょう?
織姫ちゃん言ってましたよ。
お兄ちゃんが初めてくれたプレゼントだから毎日付けてるんだって.........。」
そして一護も続く。
一「...同じなんだよ。
死んだやつも残されたやつも。
......どっちも同じだけ寂しくて悲しいんだ.........。」