第10章 再会した記憶なき花
「......えっ?」
一護が優しく包み込んだかと思うと
桜が流す涙をチュッと軽く吸う。
「ちょっ一護!?」
溢れる涙を全て吸っていく一護。
優しい唇に桜はまた涙が溢れる。
「...やだっ一護......。
優しく......しないでぇ......。」
身をよじって逃れようとするが一護が両頬に
置いている手をどかさないため逃れられない。
恥ずかしさのあまり桜は顔も体も熱くなってくる。
「...一護............。」
一「んっ、いいから。」
一護は頭を優しく撫でながら涙を吸う。
こうしだして何分たっただろうか。
桜の涙は止まってきた。
「...ねぇ一護?もう大丈夫だよ...?」
一「そうだなっ...。」
「ひゃっ/////」
最後に一護は桜の右まぶたをペロッと
舐めた。
桜は先程以上に顔が赤くなる。
一「どうした?顔真っ赤だぞ?」
悪そうな笑みを浮かべながら桜を見る一護。
「もうっ!
どれだけ恥ずかしかったと思ってんの!?」
一「でもよかった。
涙、とまったな............。」
そして笑顔を桜に向ける。
「っ!//////」
その笑顔は桜の心に焼き付いた。
......まぶしかった。
なぜか懐かしい笑顔。
ずっと前に見たことがあるような...。
一「じゃ、帰るか.........」
「あぁ!いいよ!!
今日は帰りに買い物して帰らなきゃいけないから!!」
一「買い物ぐらい付き合うぜ?」
「いやいや!!大丈夫!!
また明日ね!!」
そして桜は走っていった。
顔を真っ赤にしながら。
桜が見えなくなってから一護はその場に座り込んだ。
一「俺、何してんだよ.../////」
先程のことを思い出し顔がゆでダコみたいになる一護。
一「うわぁぁぁ!!!///////」
そして全力疾走で家まで走って帰った一護であった。