第10章 再会した記憶なき花
ガチャッ。
一護は屋上の扉を開けた。
ルキアは空を見ていた。
一「1時限目 来なかったんだな。」
ル「...あぁ。気持ちの整理がしたかった。」
一「まぁ深くは聞かねーよ。
で、桜を知ってんのか?」
一護は単刀直入に聞いた。
あの絶望に満ちたような顔の意味を知りたかったから。
ル「......あぁ。知っている。
特に一年以上前はな。
どういうことかわかるか?」
一年以上前。
ルキアが死神だった時。
一「............は.........?」
ルキアが死神だった時に桜を知っているということは。
ル「桜は、水瀬 桜は......。
............死神だ............。」
一「...なんの冗談だよ......。
...俺は一年前に桜をこの学校の校門前で見たことあるんだよ!!!」
ル「...わからぬか。」
一「......な、に............を。」
一護はわかった。
自分が桜を初めて見たのは一年前。
ルキアは一年以上前は知ってると言った。
一「......一年前になにがあったんだよ。」
そう。
一年前になんらかの理由で桜がこっちに来たこと。
一年前 桜が瀞霊廷で行方不明になったこと。
すべてを一護は理解した。
ル「......心の準備はできてるか?」
そこまでに大変な内容なのだろう。
一護は黙って頷いた。
そしてルキアは深呼吸した。
ル「桜は死神だった。
私と桜は...親友だったのだ...。」
一「......親友......?」
ル「そうだ。その親友が行方不明になったのは一年前。
ちょうど貴様が初めて桜を見た時期だろう。
私は突然いなくなった親友を探した。
しかし誰に聞いても言われるのは水瀬 桜は...............。」
ルキアの目には涙がたまっていた。
ル「...瀞霊廷の裏切り者として処刑された............と。
これしか返ってこなかった。」
一「裏切り者、だ、と?」