第8章 記憶なき花
「!!!!!!!」
抱き寄せられた。
人に触れられた。
和「ふふっちっちゃいね?
俺の腕の中にスッポリ収まる。可愛い。」
ふるえだす桜。
小説かなにかだったら主人公の女の子にとって夢のようなシーンだろう。
しかし桜には悪夢だった。
和「あれなんで震えちゃってんの?
もしかして俺が怖い?」
「いやぁ!!!!!!」
必死に抵抗する桜。
しかし女の力で男の力にかなうはずがない。
和「...抵抗されると男ってそそるんだよ?」
桜の耳元で声が聞こえる。
すこし生暖かい息と一緒に。
「いや お願い やめて............!」
和「へぇ可愛い声。なんで喋ってくんなかったの?」
そう言って桜の顎を親指と人差し指でクイッと持ち上げる。
嫌でも目が合ってしまう。
和「わぁ。近くで見るとさらにすごいね。
ちょー可愛い...............。」
いつの間にか壁においやられていて逃げ場はなかった。
桜の目の前には整った顔。
和「今さ入学式やってんの。
だから誰も来ないよ.....................。」
言ってる意味わかるよね?
そう言って桜にもっと近づく佐々木。
そして...............
和「......んっ。」
「いやぁ............!」
桜の耳を甘噛みしてきた。
チュッ.........ピチャッ......。
聞きたくもない音が桜の耳でする。
抵抗したいが両手は相手の片手で壁に押されていて両足の間には相手の足があり逃げれないし抵抗ができなかった。
和「...はあっ。やばい可愛い.........。
一目惚れってやつ?」
もうダメだと思った。
男の力にはかなわない。
入学式の最中だし誰も来てくれない。
相手は桜が震えていることを知ってるのに続ける。
「も、やだっ...。だれか...............。」
そして桜は震える声で最後の抵抗をした。
「だれかたすけてっっ!!!!!」