第8章 記憶なき花
「...............きた。」
桜は空座第一高等学校の前にいた。
あの校門の前に。
ほんとに来れたんだ。
そう思いしばらくその場にいる。
「...えと、たしかクラス?を見に行くんだっけ?」
喜助が教えてくれた。
『最初はクラスを見に行ってください。
まずはそこからっス。』
喜助の言葉を思い出してクラスを見に行こうとするのだが..................
「............どこにあるの?」
校内で絶賛迷い中だった。
人に聞こうにも聞けないし.........。
コハクがいなくても人の中に入るのは大丈夫になったのだがまだ人と話せなかった。
「...とりあえず動こう。」
そしてまたキョロキョロしながら校内をまわっていると............。
?「あれぇー?見たことない顔だね?
新入生かなぁ?」
知らない男に絡まれた。
それだけで背中がゾクリとする桜。
?「俺一応ここの3年なんだぁー。
キョロキョロしてたけど迷っちゃってんの?」
ニヤニヤしながら近づいてくる男。
茶髪で少し長髪。
話し方も軽い感じがした。
はたから見ればかなりのイケメンで多くの女子の恋の標的になっていそうな男。
しかし今の桜には気持ち悪さの塊でしかなかった。
和「あ 俺、佐々木和也。君は?」
「...........................。」
桜はなにも答えなかった。
答えたくなかったし答えられなかった。
和「...ねぇ名前は?俺 君のこと知りたいんだけど............。」
「.........?」
すこし首をかしげてみる。
すると佐々木は言う。
和「なんでってこんなカワイイ子俺がほっとくわけないでしょ?
これでも俺 結構モテるんだ。今まで何人の女と付き合ったかは忘れたけど今まで見た女の中で君が1番可愛い。
だから君のこと知りたいの。」
自分で自分のことをモテるっていうか。
そう思った桜だったが黙ったまんま。
和「.........仕方ないなぁ。
じゃあ 力づくでも.........ね?」
そう言うと佐々木は桜の肩をつかんで自分の方に引き寄せた。