第2章 本編
その夜、私はおばあちゃんの家の縁側に座って、歌を歌っていた。
でも、今まで歌った事のない歌。
不思議。
海翔に会ってから、こんな歌が歌いたくなる……。
次の日
「昨日歌ってた歌、いつもと違ったな」
海翔は、海で私と会うなり、突然こんな事を言った。
「いつもはもっと明るい曲なのに、昨日は切ないラブソングみたいな……」
「えっ!? なんで知ってんの!?」
私が驚くと、海翔はにやりと笑って自分の耳を指す。
「人魚の耳はクジラ並みなんだ。歌声ならどんなに離れてても聴こえんだよ」
「本当に?本当に聴こえてたの!?」
「また疑ってる……。別にいいけど」
浜へ行ったらちょうちんとか屋台がいっぱい!
「今日はお祭りがあるみたい!また後で来ようね!」
「おう」
その時、波が打ち寄せて魚が見えた。
「あっ!見て見て海翔!! さっきのお魚青かったよ!」
「……俺、そーゆーの見慣れてんだけど……」
「えー、いいなー。海の中にはもーっとたくさんいるんだよね?」
「そりゃあ、な」
「凄いなー。泳げたらそういうの見られて楽しそう!」
「じゃあ、行ってみる?」
「……え?」