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人魚王子

第2章 本編


海翔がいうには「人魚と手を繋いだら海の中でも息できる」とのこと。
いや、さすがにそれは無理があるでしょ……!

「ほら、涼夏早く!」
海翔が差し出した手を、恐る恐る握る。
「海流乱れてるとこあるから絶対に手を離すなよ!」

どきんっ

ま、またこの音……!
お姫様だっこされた時より大きくなってる……?

「涼夏、手が震えてるけど大丈夫か?怖いならやめた方がいいんじゃない?」
「ち、違うのっ!平気だから」
「無理するなよ?」
「うん、ありがとう」
「俺がついてるから安心しろ」
海翔はそう言って飛び込んだ。
私も目を閉じて一緒に飛び込む。

閉じていた目をゆっくり開けると……。
「うわぁ!きれい!」
そこには、今まで見たことない世界が広がっていた。
さっき見た青い魚がいっぱい!
……あっ、イルカ!
本当に楽しい場所だな。
息しても息苦しくないし。
やっぱり海翔って本物の人魚だったんだ。
顔も声もきれいなの納得!
でもオンチなのが海翔らしいかも。
そんなことを考えていた時。

「涼夏!気をつけ―――」

えっ……?

海翔の声を最後まで聞かないうちに、私は海流に飲み込まれた。
海翔の手が離れ、息が出来なくなる。
段々と意識が薄れていった時、遠くから影が見えて、私に近づいてきた。
そして、唇に柔らかい感触……。
目の前には……海翔!?
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