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人魚王子

第2章 本編


「さ、さっき、人魚って言った?」
「うん」
「足あるし、男の子なのに?なのに、人魚なの?」
「さっきからそう言ってるじゃん」
「わかった!この島では泳ぎが上手い人をそう言うんだね!」
「……全く信じてないな……。まぁ、別にいいけど」
「あ、自己紹介まだだったね。私は広瀬涼夏って言うんだ。涼夏って呼んでね!あなたの名前は?」
「オレ?オレは海翔」

その声を聞いた瞬間、心臓が跳ねた。

さっきから思ってたけど、少し低くて透き通ったキレイな声してる……。
「えっと……、海翔はボイストレーニングとかしてるの?」
「別にしてないけど……。なんで?」
て、天然でその美声 !?
ちょっと悔しいかも……。
「キレイな声だから、もしかしたら歌とか勉強してるのかなって思ったんだ。海翔は歌上手いの?」
「……聴く?」
「うんっ!」

私が笑顔で頷くと、海翔は大きく息を吸って、唇からこぼれたのはキレイな、キレイな……。

――――――――とは程遠い音だった。
つまり、超オンチ。
あまりの酷さに思わず座り込む。
しかも、私の顔がこわばっていたのか、なんかヘコんでる……。

「海翔……。本当にごめん……」
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