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人魚王子

第2章 本編


あ、お祭り始まってる。
海翔と一緒に行きたかったなぁ……。

「はーい!他に参加する人はいませんか〜?『恋人に捧ぐラブソング』がテーマのカラオケ大会!この機会に大切な人へ愛を伝えましょう!」

広場の司会者の声を聞いて、海翔の言葉が蘇った。
『人魚の耳はクジラ並みなんだ。歌声ならどんなに離れていても聴こえんだよ』
海翔は、私の歌声が聴こえたら、戻ってきてくれるかな……?

「はいっ!私出ます!」
私は人混みをかき分け司会者の前へ。
「これは可愛い参加者ですね。どうぞ、こちらへ」
司会者に案内され、ステージの上へ。

「では、歌う前に恋人に言葉を大声でどうぞ!」
「えっ!? 別に恋人ってわけじゃ……」
少し顔を赤らめながら、マイクの前に立つ。

「海翔!(キスしちゃって)ごめんねーっ!!」
恥ずかしいから「キスしちゃって」ってところは小声だけど、海翔に謝りたくて、大声で叫んだ。
「げ……元気いっぱいですね。それでは張り切って歌って下さい!」
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