第1章 番外編 1
「痛い…」
俺の後ろを歩きながら、隼人はさっき俺が頭突きしたあごをさすっていた。
隼人に邪魔されて集中出来なかったから、あのまま帰ることにした。
隼人が何故かついてくるけど…。
「自業自得だろ」
「冷たいなぁ。ベッドの上じゃ素直なのに」
「黙れ変態」
俺は今機嫌が悪いんだ。
不機嫌オーラを全身にかもしだす。
あと、話しかけるなオーラも。
まぁそれでも、奴は話しかけてくるんだけど。
「なぁ、機嫌直せよ」
「…………」
「悪かったって」
絶対思ってない。
無視をし続けていたが、突然隼人に手を掴まれた。
「な?許してよ」
「………やだ。ってか、お前の家逆方向だろ、早く帰れよ」
「貴夜が許してくれるまで帰らない」
「はぁ?」
めんどうな奴だな。
「分かった分かった、許すから帰って………ぅわ!?」
掴まれてた腕を引っ張られ、苦しいほどに抱きしめられる。
「おい!急に何だよ!ここ外だし……」
そう言っても、隼人は離してくれない。
隼人の匂いが、安心するのに何故か落ち着かない。
なんか、やばい…。
「貴夜、かわいい。俺もう無理、我慢出来ない」
「は?ちょ、待って……何処連れてく気だよ!」
隼人は俺をだきかかえ、細い路地につれ込んだ。