第1章 番外編 1
「ん、ふ…ぁ」
呼吸をする暇もなく舌をいれられ、ほとんど酸欠状態だった。
ふらふらして、頭もぼーっとしてきた。
も、無理…。
そう思ったとき、やっと唇をはなしてくれた。
「なに、すんだよ…」
せめてもの抵抗と思い手をふりほどこうとしたががっちり掴まれていてふりほどけない。
「貴夜が全然かまってくれなかったから」
「だからって、誰かに見られたら…」
「ここ死角だし、誰にも見えない」
「そーゆー問題じゃない!退け!」
「やーだ」
このやろ……。
俺が思いっきり睨み付けるけど、奴は楽しそうに笑うだけだった。
ムカつく。
「んー、そうだな、俺の家に来てくれるんだったら解放してやる」
「は!?嫌だよ!」
「だって今日はバイトないだろ?姫ちゃんも幼稚園のお泊まり会だから迎えに行かなくてもいいし…」
「飯作んなきゃなんねぇの!」
それでも食い下がる隼人。
くそ、調子に乗るなよ!
結局、俺が隼人のあごに頭突きして解放された。