第1章 番外編 1
「…そーいや、あいつは何処行ったんだよ」
「あいつって?」
「の、野木…」
「あぁ、隼人さんならリビングでいづみとゲームして遊んでるよ」
帰ってねぇのかよ。
「呼んでこようか?」
「いや、いい!絶対呼ぶな!」
「寂しいこと言うなよ」
「うわっ、いつの間に」
いつの間にか貴文の背後に立っていた野木。
ノックぐらいしてから入れ!
「あ、隼人さん」
「悪い、貴文くん。ゲーム交代してくれないか?」
「はい。構わないですよ。じゃあ2人とも、ごゆっくり」
「ちょ、まっ……」
バタン。
貴文は部屋から出ていってしまった。
「………」
「………」
2人きりの部屋。
多分もう誰も入って来ないだろう。
それに、時間的にももう寝る頃。
非常に、まずい気がする。
「お前……一回イっただけで寝るとか…」
「う、うるさい!」
野木が、ジリジリと距離をつめてきた。
「く、来るな!」
殴ろうと思って、拳をつきだしたが簡単にその手を捕まれてしまった。
そして簡単に、ベッドに押し倒される。
「は、離せ!」
「………」
野木は俺の耳に唇を寄せて、低く艶のある声で、呟いた。
「続き、シよ?」