第4章 落とした指輪

｢…｣

｢指輪、探してるんでしょ？｣

なんで！

｢俺が見つけてあげたの。俺を避けて来るかなーっと思って嘘の情報翔ちゃんに教えといたのよ｣

そう言うと、彼はくふふっとまた笑った。

｢こんなに早く会えるとはねー｣

｢なんで…｣

｢んふ、上手くいったわ。あんたが単純で良かった♪｣

なんで、こんな言われ方しないといけないんだろう。

｢私、あなたに会いたくなかった…｣
｢うん、知ってるよ」

｢私、翔ちゃんの彼女です、遊びなんかじゃなくて本気です。｣

｢うん、知ってるよ。翔ちゃんあんたのこと大事にしてるもんね｣

｢…だったら、なんで？｣
｢そんなの教えてやんないよ｣