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第4章 落とした指輪
その声に、全身が冷めたくなった。
振り向いたらダメだと思った。
「ね。翔ちゃんがいない時間になんでここに来たの?ふふ、俺にキスして欲しくなった?」
明るげな声色で、彼は検討違いなことを言っている。
それに、ムッとした私は振り返り言った。
「そんなわけないです!忘れ物をしたので探しに来ただけです、翔ちゃんは忙しいし、あなたは今日帰らないって聞いたから!」
「ふふ、やっぱりね。来ると思った♪」
彼は、嬉しそうに口角をあげて口元を手で隠しながらそう、言った。
やっぱりって。
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