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第4章 落とした指輪
翔ちゃんの部屋の前まで行くと、これもまた緊張する。
デジャブにならないだろうか。
…、ガラッ
扉を開けると、そこには心配をよそに誰ももいなくて、ほっとした。
良かった。
心からそう思ったのに、この間押さえつけられた壁が目に入った途端にドキリと、心臓が僅かに跳ねた。
あの時のキスは、忘れたいのにまだ唇に残っていて…
思わず唇をゴシゴシと擦った。
「へえ、俺の事意識してるんだ?」
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