第1章 心臓の音 1
「……」
『そう…だよね。ごめんね、たいして練習に参加もできなかったのに…ごめんね』
ーーーーーーーー…
『... ...』
目を覚ました私の視界にまっさきに入ったのは真っ白な天井だった。
あぁ、夢か…
すごい懐かしい夢見たんだなぁ…
結局影山くんとはあれから一回も顔を合わせることはなかったんだっけ。
『...ん…?』
身体を起こすとそこが自分の部屋じゃないって気づいた。
鼻を刺すような消毒液のにおい
チクッとする腕の痛み
あぁ、
ここ病院か
そして視界には少し灰色がかった髪の毛。
『孝…ちゃん?』
私の寝ているベッドの横には2つ年上の幼馴染み菅原孝支…通称孝ちゃんがカクンっカクンっと首を上下にさせながら座っていた。