第3章 心臓の音3
「まなちゃん、悪いんだけど倉庫にある書類持ってきてもらってもいいかな⁇」
見ると清子先輩は片手にドリンク、片手にバインダーを握っていて手が塞がっていた。
『わかりました‼︎』
私はみんながサーブ練習しているところの邪魔にならないようにコートを遠回りして倉庫に向かった。
床にはみんなが打ったボールがたくさん転がっていて足の踏み場がないくらいだった。
それにしても…
みんなこんなハードな練習しててすごいなぁ。
ふと、コートを見ると
みんながサーブ練習してる中
さっきの怒鳴っていた人…確か西谷?先輩は一人だけレシーブに回っていた。
もしかしてリベロなのかな…?
「影山ナイッサー、もう一本こいやー」
西谷先輩の声に応じるように
影山くんがトスを上げてサーブを打った。
そのボールは大きく弧を描きながら
こっちに向かってーーーー…
え?
気が付いた時には凄い威力のサーブは
コートの端っこを歩いていた私の目の前まで来ていて
「やべっ‼︎」
「あぶね‼︎‼︎」
ボールに当たること覚悟で私は目を瞑った。
バチィィイン