第3章 心臓の音3
「マネージャー希望の子?」
「あ、は、はい!」
「一人で大変だったし、私は3年だし助かるわ」
その美人さんは
清水清子先輩と言って、
優しく私に接してくれた。
そんなわたし達を見て影山くんは
またサーブの練習を初めたみたいだ。
さっき、
なんて言おうとしてたんだろう…
「まなちゃんはどうしてマネージャーに?」
清水先輩と倉庫にきて荷物を整理してる時にふと聞かれた。
『えっ…と…中学の時もマネやってたので……。自分の身体を動かしたり元気に跳ねたりしてるの見て…羨ましいなぁって……私にはできないから……』
「……?」
『あ、えとすみません!これ体育館持ってきますね!』
うわぁ…
つい口からボロが出たよ
恥ずかしい…
変な子って思われないようにしなきゃ!
ただでさえクラスに馴染めてないのに
部活にも馴染めなかったらどうしよう…
体育館に戻ると
孝ちゃんやみんなが戻ってきていた。
さっきの怒鳴り声あげてた人も
みんなの練習に参加しているみたいだった。
「まなちゃんは今日は見学だけでいいからね」
『あっ、はい』
澤村先輩がそう言ってくれて
私は端のほうで練習を眺めていた。
清水先輩はみんなのドリンクを作ったり
ゼッケンを配ったりボールを出したりしていた。
一人で全部やるのはやっぱり大変なんだろうなぁ…
「サーブ練習!」
澤村先輩のキビキビとした掛け声に
みんながサーブの練習をはじめる。
ドドっ キュッ バンッ
その中でもやっぱり影山くんのサーブをずば抜けて凄かった。
中学の時
及川先輩にしつこくサーブのやり方聞いてたっけなぁ…
中学終盤の時に
影山くんが白鳥沢に落ちたって人伝に聞いた。
青城に行くわけでもなく
鳥野に進んだって誰かが言ってた。
でも影山くん
どうして鳥野にきたんだろう…