第3章 心臓の音3
「……」
『……』
どどどどうしたらいいんだ!
体育館の中はシーンと静まり返っていて
サッカー部やら野球部やらの声が遠くから聞こえる。
影山くん、絶対こっち見てる…
私はまず落とした体育館靴を拾って上履きからシューズに履き替えた。
影山くん、
サーブの練習してたみたいだけど
やらないの…かな?
ふっと顔を上げると
ずっとこっちを見ていたであろう
影山くんとバチっと視線が交錯した。
や、やばい!
って思ったとき
「…………お「あれ?」
影山くんが口を開いたのとほぼ同時くらいに後ろから透き通るような声が聞こえた。
振り返ると、
メガネのすらっとした女の人が立っていた。
着ているジャージには
“鳥野高校排球部”の文字。
あ、
この人が孝ちゃんが言ってたマネージャーの人かな?