第3章 心臓の音3
「ぐはぁっ!す、菅さんこの可愛い子誰ですか⁉︎」
「あぁ、紹介するよ。幼馴染みのまな」
坊主で目つきの悪い男の人が
ずっとこっち見てきて怖い…
『は、初めまして…神崎 まなです…』
「こっちが田中。こっちが澤村」
孝ちゃんが右側にいた優しそうな黒髪の男の人も紹介してくれた。
「菅の幼馴染みかぁ〜。よろしくな」
そう言ってくしゃっと優しそうに笑った。
あ、この人はなんか良いなぁ。
『そ、れで第二体育館行きたかったんだけど…』
「あぁ、まなはマネージャーやるんだっけ?」
『うん…』
「うぉおおおおお!清子さんに加えてこんな可愛い子が入ってくれたら俺まじやばいっす!!!」
いきなり田中さんが大声を出してきて
私はちょっとビックリした。
「こら田中、まなちゃんが怖がってるだろ」
「こ、怖…?」
そしてそのあとズーンとしたように落ち込んだ。
喜怒哀楽激しい人なんだなぁ…
そして私たちはそのまま第二体育館へ向かった。
向かう途中に3人はウキウキしてるみたいで「ついにあいつが戻ってくるのかぁ」なんて言ってた。
私にはさっぱり誰のことかわからなかったんだけれど。
「ここが第二体育館だよ」
『ここ…かぁ』
渡り廊下の向こう側には第二体育館と書かれた標識が立っていた。
『孝ちゃん、ちょっと体育館靴もってくるから先に行ってて!』
私は三人と別れて下駄箱に向かった。
確か下駄箱に体育館シューズ入れたはず…
シューズを持って第二体育館の中に入ると
「あんの、根性なし!!!!!!!」
大きな怒鳴り声にびっくりして私は思わずシューズを落としてしまった。