第2章 心臓の音2
ーーーーーーー…
『はぁ…』
昼休みになってやっと一息つけた。
入院中に授業の予習はしていたから
なんとか内容わかったけど…
友達が出きる気がしない!
さっき委員長らしき子が「わからないことがあったら聞いてね!」って言ってきてくれたけど…事務連絡的な感じだったし。
自分から話しかけるのも苦手だし…
お弁当食べる友達もいないし。
どうしよ…
屋上…とか空いてるのかな?
廊下に出ると生徒でごった返していた。
購買に行く人がほとんどなのかも。
人混みを通り抜けて私は4階へと上がる。
ここは確か三年生の階だよね?
孝ちゃんもこの階にいるんだよね?
すれ違う三年生はなんだか気迫みたいなのがあって、入学したばかりの私にはとても大人に見えた。
4階も越えて更に上に登ると
“立ち入り禁止”というテープが張られた扉があった。
ここが、屋上。
立ち入り禁止って書いてあるけど
でも食べる場所ないもん…
鍵閉まってたらどうしよう?
それでも私は思い切ってドアノブを回した。
キィーと鈍い音がして重たい扉が開いた。
ブワっと生ぬるい風とともに桜が舞っていた。
『…空い…た』
外に出ると思い描いていたようなまんまの屋上が広がっていて、私は柵の方まで歩いて行った。
『すごい…高い…』
そこから下を覗くと小さくなってるグラウンドが見えた。
ここから飛び降りたら…死んじゃうのかな。