第3章 アザミ
早く私の質問に答えろと言わんばかりに圧力をかけてくる。
女の子に圧倒され、皆がリエーフを注目しそれで何を言わずとも犯人が明白になった。
さっき黒尾に後ろまで引っ張られた所まで女の子がツカツカとリエーフに歩み寄れば、自主的に皆が避けてくれて自然とリエーフまでの花道が出来上がり、女の子の目の前には真っ直ぐにリエーフが現れる。
聖夜と及川、夜久は怖いトラウマしかないが女の子が近付いても騒がないということは、この子はあの手の化け物とは無関係らしい事が確信になり、黙って様子を見る事にした。
「何で教室を開けてしまったの?」
「え?あ……いや、それは……甘い匂いがして……」
「私……何があってもこの教室は開けちゃダメって言ったよね?」
「はい。」
「開けたら大変な事になるよって言ったよね?」
「はい。」
「言う事は?」
「すいませんでした。」
今この教室で1番デカいリエーフが、1番小さい女の子に負けた瞬間だった。
その光景はあまりにもシュール過ぎる。
しかし、やってしまったものは仕方ないと、女の子はため息を着いてからリエーフをほったらかしに聖夜の所に足を進め、及川とは逆の手をその小さな手に包み込んだ。
「ごめんね、守ってあげれなくて。」
「……ぇ……あの……。」
何で私だけ?と聖夜が困ったように及川を見るも、及川も頭を横に振り、俺に聞かれてもと苦笑する。
「お姉ちゃん、これだけは覚えといて?」
「覚える?」
「今起きてるのはね、全部_____が原因なの。」
「え?何?」
女の子と出会った時と同じ、肝心な所が聞こえない。
ごめん、もう一度言ってくれる?と聖夜が顔の前で人差し指を立てたと同時に、扉がけたたましい音を立てながら壊れたと思いきや、女の子の体が腰から上下真っ二つに切り離された。
女の子の上半身が地に落ちる前に聞こえた言葉。
_____のお姉ちゃんでありがとう。
やはり、 肝心な部分はどうしても聞こえなかった。
貴女は一体誰なの?
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