第13章 クワ
ーーーーーーーーーー
おはよーっす、ヒカリ!
...。
...。
何だよ、お前ら。
人をそんな気の毒そうな目で見んなツッキー。
そして龍は笑い堪えてんじゃねーよ、マナーモードなってんぞコラ。
翔さん、悩みなら聞きますけど?
誰も病んでねーよ。
てゆーか、なんだってこの木に名前付けてんスか。
ん?あぁ、こいつ見ての通り日陰に立ってるだろ?
植物ってのはヒカリがなきゃ元気ねぇじゃん。
けど、ここはでっかい建物の影が邪魔してろくにヒカリを貰えなくて可哀想だから、移動してやるにしても切ると聖夜が怒りそうだし、だからこうして少しでも暖かい名前を付けてやって、応援してやってんだよ。
これもひとつの愛なんだろうな。
...乙女ですね。
黙れ月島。
翔さん、きっと武ちゃんと語れますよ!
誰がポエマーだ。
つーか、お前ら知らねーだろ。
...?
こいつ、スゲー美味しい木の実をつけんだぜ?
赤と黒の実あんだろ?
黒い方が食べ頃なんだぜ?
詳しいっすね。
妹が植物に詳しいからな。
ああ、あの青城の可愛い...
手ぇ出したらわかってんだろうな?
翔さん、目が笑ってませんよ。
いつからだろう、私に笑顔を向けなくなったと感じたのは...
*