第12章 ウシノシタクサ
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なんスかコレ!
なんスかコレ!
コラコラ、リエーフ落ち着け。
え、けど、翔さんコレって!
可愛いだろ?
烏の雛鳥......こないだ旭とランニング中に怪我してるの見付けて、ここで保護してたんだ。
大した怪我じゃなかったからもう殆ど治ってると思う。
羽もバタバタさせてるし、もう飛べるんじゃないかな?
そう言う事なら任せてください!
え?
ちょっ......リエーフ、ソイツをどうす.........!
それ!
のおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!!!!!!!!!!!!!!
危ない!
日向!?
ちょっ......日向も烏も無事か!!!
はい、何とか......
リエーフ......お前いくらなんでもいきなり烏を投げるやつがあるか。
日向が受け止めてくれなかったらどうなってたか。
すいません......
飛べるかと思って......。
せめてちゃんと怪我が治ってからな。
その時は俺達でこいつを送り出してやろうな。
はい!!!
だけど、次の日......烏は忽然と姿を消した。
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一瞬、何がおきたのかわからなかった。
男の子は日向の腕からスルリと抜け出すと、壁に掛けられていた影が飛び出してきた絵画を取り外し、迷うことなくそれを地面に叩き付けた。
影が飛び出してきた事により、花だけになった絵画はバキリと大きい音を立て、粉々に砕け散る。
それと同時に、影の姿も音もなく消えてしまった。
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