第12章 ウシノシタクサ
一瞬、影の仲間とも思ったがその子からは何の殺気も感じられないので、真っ先に駆け寄ったのは日向だった。
馬鹿正直というか、警戒心がないというか......そこが日向の良いところでもあるが、用心するには越したことはなく、東峰とリエーフが何かあった時の為に日向の背後で構えていた。
そして日向が男の子に近寄れば、男の子はきょるんとした大きな瞳で日向を見上げる。
改めて日向と男の子が並んでる所を見ると日向そっくりで思わずため息が出てしまう程だ。
「お兄ちゃん達こんな所で何してるの?」
先に質問してきたのは男の子で、日向が何て聞こうか悩んでいた所へ逆に質問された。
「え?あ......お......俺達は......」
えー、だの、うー、だのあちらこちらに視線を泳がせ、最終的に答えが見つからなかったらしい日向は助け船を求め、東峰を振り返る。
「東峰さん!
俺らこんな所で何してるんですか!」
「それは俺も聞きたいよ!!」
まさかの日向に東峰がすぐさま突っ込む。
そりゃそうだ、ここがどこなのかと男の子に聞きに行ったのかと思いきや、日向に「何してるんですか」と言われればきっとリエーフでも同じ突っ込みを入れていたと思う。
「お兄ちゃん達迷子なの?」
「え......あ......まぁ、」
「僕、出口教えてあげようか?」
「「!」」
「本当か!」
「うん、だけどその代わり探してもらいたい物があるんだ。」
「「「?」」」
*