第12章 ウシノシタクサ
「のわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
「ひなたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
日向の絶叫を追いかけるように、東峰の絶叫が後から続いた。
顔を真っ青にして駆け寄った先には、ずぶ濡れになって、うつ伏せになって倒れている日向。
そしてその様子を唖然と見ているリエーフと、その横でケラケラ笑っている小学生くらいの男の子......というか、日向をそのまま小さくしたような日向そっくりの男の子。
「だ...大丈夫か日向!!」
「はい、何とか......はっ......くしゅっ。」
東峰に答えるも、水が相当冷たかったらしく、日向はブルリと身震いし、濡れたジャージ姿のまま肩を抱え込んだ。
そんな日向に東峰は日向よりも遥かに大きい自分のジャージを羽織らせてやる。
事の次第は少し前に遡る。
教室で穴に落とされてから日向が次に気が付いた時には、どこだか知らない何もない建物の中にいた。
幅は大体バレーコートくらいの広さで、高さも差ほど高くなく、低すぎない。
回りは上も下も眩しくなるくらい真っ白で、ここはどこだろうと頭を捻った時に一緒に落ちたであろう、東峰とリエーフに気が付いたのだ。
慌てて肩を揺すれば、ただ気を失っているだけだと知り、ホッと胸を撫で下ろした。
それからすぐにすぐに二人も気が付き、ここはどこだと頭を捻った所で、どこからともなく日向そっくりの小さな男の子が表れたという訳だ。
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