第2章 GO FOR IT!! ~東峰旭~
『ってなんでおはようなのよぉぉぉ…』
机に突っ伏して嘆く私の肩を、友達はポンと叩き
「もったいない」
『そんなの私が一番わかってるってばぁぁぁ!!』
無駄な八つ当たりをかねて、友達の手を振り払った。
『こっち向いて笑ってくれたのになぁ…』
東峰旭。
どこのマフィアだってくらい強面で、ヒゲまで生やしている。
でも、ほんとはヘタレで、いっつもおどおどしてて…。
なんで好きなのかわかるはずがない。
だってどこが好きなのかわからない。
それでもなぜか…
『…仲良さそー』
他の子と仲良くしてると無性に腹が立つ。
私だけ見てて欲しいとか思ってしまう。
みっともないヤキモチ。
東峰は私のものじゃないのに、ほんっとにみっともない。
こんな自分、大嫌いだ。
恋が叶うって噂の待ち受けなんて信じてない。
なのに、そんなのに頼ってしまう。
少し前に、「その髪似合ってる」そう言われただけなのに
それから毎日同じ髪型にしてきたりしてる。
『なーんにも効果ないですけどねぇ』
東峰は、強面だけど
優しいし
面白いし
喋りやすい
だから、自然と人の輪の中に入っていってしまうんだ。
ねぇ、私だけ見ててよ。
私、あなたのこと大好きだよ。
『ずっと前から好きでした…か』
告白の定番みたいな言葉を口に出して、途端に恥ずかしくなる。
今の、誰にも聞かれてないよね。
この想い、今すぐ伝えたい。