第2章 第2章『始まり』
キッチン、テーブルのあるリビング、そして寝室
意外にシンプルな作りをしているな、というのが正直な感想だった
静か、人の声もしないし、物音もしない
だからと言って寝室で寝息が聞こえることもなかった
つまりここには人が居ない?
いや、これだけ必要なものが揃っていれば売っていない限り人がいるだろう
そこで私は気がつく。なぜ出かけているということを考えようとしなかっのだ?
それに、鏡に映ったなら、声だって聞こえるかもしれない
それに、ここの家主が霊感があるなら私が見える
もしここのすぐ外に人が居て、私の声が聞こえたら、こちらを見る筈だ
それで私に気がつけばその人は見えているのだから
・・・でもよく考えると、玄関の方へ行っていない
私は急いで玄関を探した
寝室を抜けて、廊下を少し渡ると引き戸のような物があった
ここが玄関だろう、と思いすり抜けてみようとした
その結果、すり抜けられたが、私の目には緑と茶色と光しか映らなかった
それで私は考えた、ここは森なのでは、ここは山奥なのでは、と
これでは人がいる可能性がグンと下がる
ならさっきの家で人が来るまで待つ方がいいだろうと考え、待つことにした