第4章 親父の浮気
藍
「オッさん、お早うさん!こちら、加藤のオッさん!加藤のオッさん、こちらは哲也や!」
加藤のオッさん
「お早うさん!大阪、彪龍会(ひょうりゅうかい)組長、小田原支部相談役、加藤 友蔵(かとうともぞう)いいます。よろしゅう!」
哲也
「浅草で彫り師をしてます。櫻井 哲也です。宜しくお願い致します。」
藍
「堅苦しい挨拶やね!オッさん、コーヒーを淹れてや加藤のオッさんが待っとるで!」
哲也、キッチンに行きながら藍に話しかける
哲也
「お前な〜凄い人だぞ!お前だけだぞ、加藤さんをオッさん呼ばわりするのは、少しは改めたら?」
藍、キッチンにコーヒー豆、ペーパーを出しながら
藍
「加藤のオッさんは、赤ちゃんの頃から可愛がって貰うてるから今更、加藤さんはおかしいやん。親父とは義兄弟の盃を交わしてるんやから、うちの第二の親父やん!パパって言った方がええ?」
豆を受け取り、紙ペーパー、ドリップ器を受け取り
哲也
「パパは違うな!まあ、お前だからいいんだろうな、許されるんだよ!他にも来るのか?組の人?」
ケトルに水を入れてお湯を沸かす
藍
「まだ、東京からも、名古屋からも来るで!」
哲也
「お前は実は凄い人?もしかして、皆んな、オッさん呼ばわりしてるの?んなわけないよな?」
藍
「オッさんはイッパイおるで、加藤のオッさんに相田のオッさんは省吾の親父やろ、坂田のオッさんは健二の親父やろ、東京本部は上田のオッさんに名古屋支部は和泉のオッさん……全部オッさんや!龍太の親父だけは源さんかな?」
お湯が沸き、哲也はコーヒーをいれる
哲也
「ほら、コーヒーが入ったから運べ!」
哲也からコーヒーを受け取り運ぶ。哲也、自分もコーヒーを入れる
藍
「大変、長らく待たせたな!コーヒーや!」
加藤のオッさん
「おっ!待ってたで!うちのセガレも来るで仲ような!」
加藤のオッさんにコーヒーを渡す
藍
「オッさんに息子がおったん?結婚して、別れたやん!名前がちゃうの?」
哲也、コーヒーを持って、居間に来る
哲也
「加藤さんに息子さんが居たんですか?初耳ですね!」
加藤のオッさん
「今は高校や!近いうちに引き取るつもりや!今日はぎょうさん、人が来るから話しやすいと思うてな呼んだんや!」