第3章 襲撃
あと30秒─あと30秒したらここから出る…
そう自分に言い聞かせてカウントダウンを始めた。
25─…15…10…5…4…3…2………1
い、今だ…!
足を踏み出そうとした、そのときガシッと腕をつかまれた。
なに!?
「誰ですモガッ…!?」
声を出そうとすると口を抑えられる。
パニックになるあたしの耳元で男が言った。
「シッ!黙って。俺はきみの味方だ。
きみはここでじっとしていればいい。いい子だから。」
念のためにここにクナイを置いておくね、万が一敵が来たら俺を呼んで、そう言い残して男の気配はサッと消えた。
本当なら知らない男に言われたことなど信用ならないが、なぜか安心した。