第3章 襲撃
それからしばらくじっとしていた。どれほど経っただろう?ほんの数分が何時間にも思える。
たぶんさっきの男の仲間が助けに来てくれたのかもしれない。
それにしてもなんで燃えていたのか…
校庭には部員たち以外いなかった
それなら部員が─…?
何か考えていないと自分を保っていられない状態だった。
どうしよう。このままここに隠れていればいいのかな。
そんなことを繰り返し考えていると、校庭から湊先輩の声が聞こえてきた。
「く、来るなー!!!!」
はっとしてそちらを覗くと湊先輩と数人の男子の先輩が鉄の棒を持って立っていた。先程まで応戦していたようだ。そして彼らを囲む謎の人物たちも見えた。
先輩たちはついに追いつめられてしまったようだ。
黒い羽織を着て、顔はフードで見えない。手には各々が武器を持っていた。
どうしよう…!このままじゃ先輩たちが…
助けに来てくれた人たちは?
必死で校庭に目を走らせると、助っ人はそれぞれ戦っている最中だった。
そのとき、校庭の端の植え込みに一人隠れているのが見えた。手には弓矢のようなもの。あれで先輩たちを射るつもりだ…!
そう確信するやいなや、あたしはなにも考えずに走り出していた。
人生でこれほど速く走ったことはないだろうってくらい走った。
間に合え…!